10月 神無月

2015年10月1日

毎年10月、漆の里 岩手県二戸市浄法寺町では、その年に採れた漆の品評会があります。漆掻き職人は、漆の木を引っ掻いて採った樹液を樽に納めます。樽に納まった漆は、香り・色合い・粘り気などそれぞれに特徴があり、初めて品評会に足を運んだ時には、ワイン醸造家がその年のワインの出来具合をテイスティングする光景と重なりました。そして、漆は自然の恵みそのもの、木の命そのものだということを強く感じました。品評会に出された漆の多くは日光東照宮など国宝建築物の修理修繕で使われることになりますが、日常の漆器づくりにも使われています。その漆の良さを余すところなく感じることができるのが、岩舘隆(いわだて たかし)さんが塗りあげる漆器です。

写真の朱塗りの漆器は、岩舘隆さんの丸重。どのような使い方をしてもよいのですが、やはりお菓子器として使うのでが一番だと思っています。岩舘さんは、浄法寺町にお住まいで、自らも漆掻きをする人です。浄法寺漆器を復活させた方でもあります。

この秋、11/5より東京・自由が丘にある「ギャラリー古桑庵」にて私どもが開催する展示会では、こちらの丸重はもちろん、岩舘さんの漆器を数点展示いたします。是非お手に取り、ほんものの漆を感じて頂けたらと思っています。心よりお待ち申し上げております。

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